河野 春菜さんのレポート
コミュニティマネージャー

真庭の自然「山・緑・水」が私を彩り、私を変えた

蒜山高原に到着して「私が求めていた環境はここだ。」そう感じました。
鳥取県と岡山県の県境に位置する蒜山地方にある蒜山高原は、蒜山三座(上蒜山・中蒜山・下蒜山)と呼ばれる連山の裾野に自然豊かな風景が一面に広がっています。
青い空に囲まれて、人と草木と山があるだけで、まるで世界を独り占めしたかのような感覚でした。
そんな真庭の自然は、東京で働く私の生き方に、彩りを添えてくれる存在となりました。

今回の滞在では、「真庭の自然 」× 「働く」をテーマに、たくさんの魅力に出会うことができました。
まずは私が体験した真庭での生活を、1日の時間に見立ててご紹介します。

真庭での1日

7:00 中蒜山から湧き出る天然水を汲みに塩釜の冷泉へ

水が決め手で移住を決めた人がいるくらい、綺麗で美味しい真庭の天然水は、一口飲んだだけで私の体が喜ぶのを感じました。水温は年中11度前後で変わらず、肌に染み入るような冷たさです。
生活用水としても町の人に利用され、塩釜の冷泉と併設するキャンピングヴィレッジにある水汲み場で水を汲むことができます。日本名水百選にも認定されています。

9:00 蒜山高原をサイクリング

美しく連なる山々に見守られながら、どこまでも続く道をひたすら自転車で駆け抜けます。

ゆっくりリズムを刻みながら流れる川を太陽が優しく照らしていました。
涼しく心地よい風に吹かれながら走っていると、頭で考えていた何もかもが小さく思え、体に力がみなぎってきます。

12:00 蒜山高原でピクニックランチ

ランチは蒜山高原の芝生の上にテーブルとカセットコンロを置き、最高のロケーションの中で手作りチーズフォンデュを味わいました。

こうした中でも仕事は次から次へと湧いてくるのですが、大自然が目の前に広がっている環境が私の心を落ち着かせてくれ、自分のリズムを保ちながら対応することができました。

14:00 山田農園で無農薬野菜の収穫体験

農作業を体験したいという私の希望から、山田農園で無農薬野菜の収穫体験をさせていただきました。土に触れたのは幼稚園時代以来です。野菜のたくましさに元気をもらえたような気がします。

16:00 蒜山ハーブガーデンで摘み立てハーブティー体験

蒜山ハーブガーデン HerBill(ハービル)は、蒜山三座を望める標高の高い山の上に位置し、四季折々の草木と一緒に200種類ものハーブを楽しむことができます。
ハーブガーデンに足を踏み入れると、一気にハーブの香りに包まれて緊張がほぐれ、とても目が醒めるような心地になりました。施設長の小谷さんに、ハーブは手で軽く揉んであげると香りが湧き立つということを教えていただき、私が摘んだのはレモンバーベナ・ローリエ・ステビア・レッドセージ・ローズマリーです。

摘み立てのレモンバーベナのハーブを使い、ハーブガーデン内にあるカフェでハーブティーをいただきました。レモンバーベナはレモンの爽やかな香りが特徴で、食後に飲むと胃腸の調子を整えて、消化を促進するような効果があるようです。
お庭で育てたハーブにお湯を注ぐだけで美味しいハーブティーが飲めることを知り、ハーブがとても身近で親しみやすく感じました。

初夏にはガーデン内にラベンダーが一面に咲き、紫色に染まるそうですよ。

19:00 「月の石」が営業する夜喫茶で1日を締めくくる

黒田酒店の店内一部を間借りして、夜喫茶を月の石が営業しています。夜喫茶は不定期に営業されているのですが、その日に地元で採れた野菜や果物で作る一品料理や果実酒、Mimasaka Beer Worksのクラフトビールを楽しむことができます。
お店を開けると地元の面白い人たちが続々と集まり、あっという間に店内は人で溢れていました。

雰囲気があり、センスを感じさせられる店内には、黒田酒店店主の事務所が併設されていたり、DJブースがあったりなど、とてもワクワクする素敵な空間でした。

多拠点生活のいいところ

多拠点生活と聞くと、どのようなイメージが浮かぶでしょうか。
私は真庭での心豊かな生活を通じて、”都市で働き、地方へ帰る”ような多拠点生活をしてみたいと思いました。
そのように感じた理由は3つあります。

自分と向き合う時間がつくれる

東京は情報をすぐに手に入れることができ、新陳代謝の良い街です。
だからこそ成長を感じられるのですが、オフィスにいても、家にいても、何かあるごとに頭の中では常に仕事と結びつけて考えてしまいます。
それが心地よい時の方が多いのですが、自分の心を窮屈にしてしまう時もあります。
真庭の多拠点生活は、そんな私の心を解放してくれ、自分自身と向き合う時間を生み出してくれました。

自分の人生を客観的に捉えることができる

毎日がむしゃらに働いていると、自分はこの先どうしていきたいのか、どうなっていたら幸せなのか、そのようにふと人生や生き方について考えたくなる時があります。
そんな時に私は、散歩をしたり、ボーッとする時間を作るのですが、真庭での生活にはこうした時間が日常にあるので、働きながらも自分のリズムを大切にできました。
そして美しい山々を眺めていると、この先どう進んでいっても個性として捉えていけるような気がしました。

刺激を与えてくれる人に出会える

私は真庭で2人の人に刺激を受けました。ひとりは真庭市市役所の平澤洋輔さん、もうひとりはNostalgie Cafe ろまん亭の松尾敏正さんです。
平澤さんは滞在中はほとんど行動を共にさせて頂いたのですが、仕事をしながら浮かない様子の私に、厳しくもあたたかい言葉をくれました。松尾さんはいつも穏やかな笑顔で迎え入れてくれて、ろまん亭の店主としてしなやかに働く姿がとても心に残りました。
ここでの出会いは、東京で働く私を支えてくれる大きな柱となっています。

私を変えた真庭の自然

真庭の自然は、私にたくさんの学びを与え、素敵な人たちとの出会いを生み出してくれました。
さまざまに移り変わりやすい空の下で、その変化を優しく見守るかのように幾重にも連なる蒜山三座の「山」。
鮮やかな色彩で季節を知らせてくれて、日々生き急いでしまう心に余白をつくり出してくれる高原の「緑」。
人を癒し、人の生活を支え、人の文化までも生み出してしまう、自然の大地から湧き出た「水」。

同じ場所で生活をしていると、一所懸命になりすぎて大切な何かを忘れてしまう気がします。
真庭に来れば大切にしていたものを思い出し、その先の人生が彩りよく、豊かに感じることができるので、私はまた真庭に訪れたいと思います。


【滞在期間中に訪れた場所と、出会った方々】

交流定住センター(https://i-maniwa.com/area/koryu/
/ センター長 池田 恭子さん、吉原 啓介さん

青木本家(https://i-maniwa.com/area/yono/
/ 藤田 亮太さん

岡山県地域おこし協力隊ネットワーク OEN(https://www.facebook.com/okayama.okoshi
/ 地域おこし協力隊卒業生・現役隊員のみなさん

スミダ商店(https://www.sumidashouten.com/
/ 住田 明大さん

ユキミドリ(https://yukimidori.com/
/ 石賀 真代さん

蒜山耕藝(http://hiruzenkougei.com/
/ 高谷 裕治さん

月の石(https://www.instagram.com/___tsukinoishi.mise/
/ 樋口 加代子さん

黒田酒店(https://www.instagram.com/kurodasaketen/
/ 黒田 和美さん

山田農園(https://yamadafarm.com/
/ 山田 栄子さん

蒜山ハーブガーデン HerBill(http://ww81.tiki.ne.jp/~herbill/herbill-home.html
/ 小谷 幸正さん

ろまん亭(https://www.facebook.com/okayama.roman/
/ 松尾 敏正さん

OLIVA SUCULA(http://olivasicula.com/
/ ルーチョ・スケンバリさん

塩釜の冷泉(https://www.maniwa.or.jp/web/?c=spot-2&pk=13

真庭シティホテルサンライズ(http://www.maniwa-sunrise.com/

休暇村 蒜山高原(https://www.qkamura.or.jp/hiruzen/